医学部にも序列があるみたいだし、いいところ行けないと将来しんどそうだな。
浪人したしせっかくだから志望校を上げてみようかな…。
受かればどこでもいいし、とにかく適当に出願してしまおう。
医学部に絶対受かりたいなら”受かりやすい医学部”を受けるべき
この記事では、医学部受験生が少しでも受かりやすい医学部を受けるべき理由と、”受かりやすい医学部の選び方を解説していきます。
現在ではしっかりと医学部で勉強を続けている僕ですが、実は現役生時代に理想を掲げすぎた余り、適切な志望校が選べず浪人してしまった過去があります。今回はその経験を活かしつつ、しっかりと解説していきたいと思います。
本気で医学部を目指すなら”受かりやすい医学部”を選ぶべき理由とは?

ずばり、「圧倒的に受かりやすい」からです。
偏差値が50や60の人が東京大学理科三類を受けて受かるはずがない。それと同じように、医学部受験初心者、ましてやまだまだ知識がない状態ならば、”受かりやすい医学部”を受験すべきなのです。
よくある疑問:上を目指さないと、成長できない?
高校の先生や予備校の先生はこう言います。
「より高い目標を見ているものだけが、結果的に志望校を次第に下げていき、最初に志望していたところに結局は受かるんだよ」
と。
でも、それが本当なら世の中の全員が初めから東大を選んだ方がいいことになります。
上を目指さないと成長できないのではなく、「成績を上げるモチベーションを保つことができないと成長できない」と言った方が正確でしょう。
モチベーションを保てているなら、あなたが本当に行きたい大学に加えて「受かりやすい」医学部をも選択するべきです。(必要以上に高みを目指すのは時間の無駄)
よくある疑問:医学部なんて全部難易度高いし、結局はどこ目指しても同じでしょ?
この疑問は大きな勘違いです。
確かに医学部の偏差値はどこも横並びですが、難易度(入りやすさ)に関しては全て違いますし、問題の相性など加味すると、同じ大学であっても、人それぞれその大学への入りやすさは違います。
そして、あなたが本当に行きたい大学の医学部とあなたの相性が最悪、何てことはざら。その場合は長い時間がかかることを覚悟しないといけないでしょう。
ですから、できるだけ自分に合った「受かりやすい医学部」を見つけて、その大学を受験することが最も医学部合格に近づくことができる、と言えましょう。
では、どうやって自分に合った「受かりやすい医学部」を見つけるのか?
次の項で解説します。
”受かりやすい医学部”を見極めるうえでのポイントは三つある

前提として、”受かりやすい医学部”とは決して簡単な医学部のことを指すわけではありません。
自分に合った医学部、という意味です。
その”受かりやすい医学部”を見分けるコツは次の3つです。
その1.苦手科目が簡単 → 自分の苦手を相対的に補える
その2.得意な試験形式か → ほかの受験生に差をつけられる「慣れ」
その3.面接内容が自分に合っている → 内容でその大学の欲している人材を判断
それぞれ非常に大切な意図が含まれているので、解説していきます。
その1.苦手科目が簡単
”入りやすい”と聞いたときに、多分一番想像しやすいところではないでしょうか。
医学部入学に最も必要とされるのは「学力」。であれば、その関門をできるだけ下げてしまうことが、志望する医学部に入りやすくなるコツになります。
例えば、
帝京大学医学部であれば、
・英語必須だが、数学、国語、理科の三科目から二科目選択可能
→苦手科目をそもそも使用しないことが可能
数学が苦手な人でも、国語さえ得意であれば(苦手でなければ)そもそも受験に数学が必要ないということになります。
つまりは、苦手科目で足を引っ張られる危険性がなくなるわけですから、合格率は格段に上がります。
他にも、
東邦大学医学部であれば、
・英数理の三科目、しかし配点は相対的に英理が高い
→数学が苦手でも他2科目で補うことが可能
英語と理科が数学よりも得意(もしくは苦手でない)な場合には、たとえ数学ができなかったとしても、最終的な点数の差で数学が得意な人との差を英語、理科の二科目で補填することができるわけです。
つまりは数学が苦手でも十分に合格可能性が高いということが言えます。
このように、大学それぞれの入試には特徴があり、それぞれの特徴が受験生の苦手を結果的に帳消しにしてくれることや、そもそも苦手科目の受験をしなくてよい場合があったりします。
こういった細かな情報は、こちらでそれぞれの大学の特徴を徹底的に踏まえた最新の記事を公開しているので、定期的にチェックするようにすると、より合格率が上がります。
その2.得意な試験形式か
意外と見落としがちなのが、試験形式。
自分に合った試験形式を選択することができれば、得点率が飛躍的に上がり、総合的な合格率が上がることが期待できます。
代表的な試験形式には3つあります。それが以下。
・マーク形式 → センター試験(共通試験)などで採用
・記述形式 → 国公立大の二次試験で採用が多い
・穴埋め形式 → 一部私立医学部の一次試験で採用がある
マーク形式
代表的なのがセンター試験(共通試験)であり、多くの大学受験生が受験する形式です。
また、医学部では私立医学部の多くで採用されていることもあり、医学部を受験するならばよく当たる試験形式であるといえます。
通常、スピードが求められることが多く、数学などでは計算の速さがものを言います。
ただし、攻略法も多く、三つの試験形式の中では裏技が最も使いやすい試験形式とも言えるでしょう。
記述形式
日本の医学部においては、国公立の大学の二次試験及び私立医学部の一次試験の大半で採用されています。
通常、考察力と理解力が求められることが多く、生半可な知識では太刀打ちできません。
ただし、部分点を稼ぎに行くには非常に有利な試験形式であり、All or None(一か八か)のマーク形式とは根本的に違います。
ある程度知識があるならば、記述形式の方が点を取るには有利と言えるでしょう。
穴埋め形式
マーク形式と記述形式のハイブリッドであることが多い試験形式です。
国公立大学であっても、私立大学であっても、同じ試験内に数題出題されることがほとんどです。
通常、知識量のみを問う場合が多く、知識さえ身についていれば解答することができる試験形式になります。
つまるところ「点取り問題」が多い試験形式であるということです。
どれが自分に合った試験形式か、模試/過去問で確認しておく
試験形式は3つあると言いましたが、それぞれに特徴があり、受験生個々で得意とする形式も異なってきます。
マーク形式オンリーがいいのか、記述と穴埋めのハイブリッドがいいのか。
河合塾や駿台の模擬試験を実際に受験してみて、自分が一番しっくり来た形式が一番自分に合っていると考えればよいでしょう。
また、模擬試験を受けるまで待ってられないという人には、過去問の詰め合わせである「過去問集」に取り組むことをお勧めします。
各大学の赤本を購入する前に、全国のいろんな大学の過去問が詰まった問題集を解いておくことで、自分に合った試験形式が必ず見つかります。
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少々お値段は張りますが、これらの過去問集は何十大学もの過去問を網羅しているため、一冊2、3千円もする赤本を数冊買うことを考えると非常にリーズナブルです。
また、こちらの過去問集は受験期直前に最後の知識総確認用にも大活躍するため、ぜひとも一冊は持っておくことをお勧めします。(筆者は生物だけ購入し、めちゃくちゃやりこんで生物の成績が死ぬほど上がった)
その3.面接内容が自分に合っている
最後に、受験生が最も軽視しがちな「面接」の内容。
医学部受験における面接をどう攻略するかは後日詳しい記事をアップするのでそちらを参考にしてください。
医学部において、面接は「就職試験」のようなもの。
将来的に一緒に働くかもしれない人間を面接するため、大学の先生方はかなり真剣に面接をします。
そして、もちろん「一緒に働きたくない」とか「こいつをうちの大学に入れると厄介だ」と思われればそこで試合終了。
実は大学によって面接形式はかなり異なり、その形式は大学の求める人材像と合致します。
そのため、面接形式の把握はその大学と自分の相性がいいのかを考えるうえで重要です。
面接形式を把握するなら、その大学の募集要項などを見たうえで、予備校などが出版している面接対策本を購入して隅々まで目を通すのがお勧めです。
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数ある面接対策本の中で、最新年度の内容をまとめ、かつ大学ごとに詳しい形式と、受験者の感想をもまとめている希少な本です。
例年、人気すぎて10月ごろになると売り切れを起こすようなので、購入するなら早めが吉。
最終的に目指すべきは「医学部合格」
浪人した後に、医学部の志望校を選ぶ中で、僕が痛切に感じたのは結局のところ「医学部に受かれ」ば後はなんでもいい、ということ。
こだわればどこまででも上を目指せてしまいます。それがゆえに、周りと自分を比べるとやる気が削がれ、まるで未来が見えないかのように錯覚してしまいます。
今では、ゴールが「医学部に受かる」ことなのであれば、もっと心に余裕をもって勉強していればよかったと思います。
本当に、本当に「マジで」医学部に受かりたいと、今心の底から思えるなら、”受かりやすい医学部”を一心に目指し、努力していく。
先の見通しも効きますし、精神衛生的にも理論的にも、最適解です。
目指す先が見えた時の希望と興奮は多分、本人にしか解せないでしょう。
千里の道も一歩から。行動しなければ何も変わりません
僕がたどってきた道のりは次の通り
中高ほぼ最下位 → 現役生時には6校受けて全落ち → 1浪で第一志望以下2校全て合格
やっとここまで来たという感覚なんですが、今思えば浪人したときに「受かりやすい医学部」を見極めていなかったら今頃どうなっていただろう、と少し身震いしてしまいます。
中高ではほぼ学年最下位で物理・数学では驚愕の一桁をたたき出し、現役で受けた大学はもれなくすべて落ちたにもかかわらず、たった一年でここまで変われたのは、確実に志望校選びのおかげ。
一年間継続して、前を向き勉強に死ぬ気で取り組んできた果てに得たのは「医学部合格」という最高の結果。
とある統計結果で「100人いればそのうち実際に行動するのは10人。そのうち継続できるのはたった1人」というものがあります。
今行動して、継続すれば必ず結果には結び付きます。
どんなに遠い道もまずは一歩踏み出すところから。あとは足を前に出し続けていれば必ず目標にはたどり着きます。
さあ、今行動しましょう。


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