医学部にランク付けなんてないたった1つの証拠【差別です/古い考えは捨てよう】

医学部受験
とある医学部受験生
とある医学部受験生

医学部受験をするにあたって、就職のしやすい、医師免許の取りやすいコスパのいいランクの高い医学部ってないかな?

医学部に入ってから、名の知れた大学ならめちゃくちゃ優遇されたりするのかな?もしあるなら具体的に教えてほしい。

上記のような悩みに答えます。

この記事の内容

・医学部に入ってから「大学名」で差別されることはありえない

・医学部卒業後の就職で「大学名」は全く関係ない

・入学後の頑張りで全ての運命が決まる

この記事を書いている筆者は医学部3年生。

現在東京都にある、とある医学部に通っていますが、医学部受験生時代から「良い医学部に行った方がいいよ」という話を聞いてきました。

「東大理3が頂点で、その下に京大があって…うんたらかんたら。」

正直うんざりしていました。

書店に行っても「医学部格付けチェック」のような書籍がたくさん並び、医学部受験生含め多くの人が医学部にランク付けがあると思ってしまいます。

そして、この記事を読んでいるということは「医学部 ランキング」などで調べてこられているでしょうから、あなたも、あながちランク付けに興味がないわけではないでしょう。

この記事では、そんなランキング好きの方に向けて「大学名」は医学部に限っては全く関係がないという話をしていきます。

徹底的にリサーチを重ね、分かり易い数字も証拠としてお見せしますので、是非じっくりとお読みください。

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医学部にランク付けは存在するのか?

医学部一発合格のコツより引用〈http://xn--1-19t205kpxao3y8re6uu3x0f.xyz/2018/09/25/igakubujoretu/

先に悲報だけ言っておきます。

医学部には明確な「序列」が存在します。これは覆しようのない事実です。

東京大学、京都大学を始めとした旧帝国大学をはじめとして、歴史や伝統で明確に序列が組まれています。

また、この序列とは別に「運営交付金」の金額で序列が決まっています。こちらも、東京大学を始めとして旧帝国大学が高額な金額を得ていますから、先ほどの序列とさほど違いません。

ここまで聞いて、なんだやっぱりいい大学に行った方がいいんじゃないか、と思った方、それは早とちりです。もうちょっとだけ聞いてください。

医学部のランク付けは存在しないたった1つの証拠

先ほど、「序列」は存在すると言いましたが、それはあくまで大学の「国からの評価」の話。

古くて、歴史を持つ大学ほど研究者を多く輩出しており、出身教授が多いのも事実です。というか当たり前です。年数を重ねるだけ輩出数は増えるわけですから。

では翻って、医学部に所属している人間に大学によって序列があるのか、と言うと

100%ない

ということができます。

その理由は簡単、

一定の学力が国家試験で保証されるから

です。

なんのこっちゃと思ったかもしれませんが、ちょっと分かり易い図をお見せしましょう。

114国家試験ランキング_真1.png
114国家試験ランキング_真2.png
114国家試験ランキング_真3.png
114国家試験ランキング_真4.png
上記4画像は全て【114回医師国家試験】6年次在籍者数で見る真の合格率ランキング

http://www.seachicken-med.net/article/474061596.html#4〉より引用

引用画像ではありますが、これらは「医師国家試験」の”真の合格率”になります。

つまり、留年数などを加味した数値になるわけで、どれぐらいの確率で各大学から合格者が出ているのかということを示しています。

単純に数値が大きければ「受かりやすい」、低ければ「受かりにくい」とは言えませんが、ある程度大学の教育力を示していると言ってもよいでしょう。

では、その内東京大学医学部の合格率はどうでしょう?

”96%”ですね。

また、京都大学医学部はどうでしょう?

”92.2%”となっています。

東京大学よりも医師国家試験合格率が高い大学は、私立含めて12校存在していますし、京都大学に至っては37校も存在しています。

序列では、他の大学を寄せ付けない高みにいるのにもかかわらず、です。

秋田大学には、医学部で最も偏差値の低い入試方法(62.5)が存在していますが、合格率では余裕のトップクラスです。

つまり、医師国家試験だけで言えば、東京大学よりも他12校の方が、京都大学では他37校の方が優秀で、ランクが高いと言い換えられます。

この結果から分かることは、医師になるにあたって必要な「国家試験」の合格率は、大学の序列に全くと言っていいほど影響されないということです。

医師に関しては、「医師免許」を得てしまえばほとんど就職に困ることはありませんし、就活の場で不当に差別されることはありませんから、「在学していて卒業する」分には医学部にランク付けというものは存在しないということができます。

高い序列=良い医師になれるわけじゃない

さて、医学部にランク付けが存在しないということを述べてきましたが、もう一つ当たり前の事実を述べておきます。

それが、「いい大学を出たからといっていい医師になるわけではない」ということ。

東大や京大など、世間的に入試難易度が高い大学に入ったからと言って、「良い医師」になれるわけではないということですね。

例えば筆者自身がこれまであってきた「ヤバい医師」にはこんな人がいました。

ヤバい医師の例

・患者の話を全く聞かず、自分の知識や見解が全てと信じ、患者を軽視した対応をする(東大出身)

・患者にも看護師にも怒鳴り散らし、椅子の上で偉い人ぶっている(難関国公立出身)

「カシコイ」大学を出たからと言って、人間性やサービス精神、患者に対するホスピタリティが身についているわけではありません。

逆に、世間的には難易度が低いと言われるような大学であっても、患者からの信頼が厚く、よく話を聞き治療方針や治療も明確で分かり易いと、かなりの評判な医師もいます。

何度も言うように、序列が高い大学だからと言って、素晴らしい医師が排出されるわけでもありませんし、医師国家試験に100%受かるということもありません。

究極は入学後の努力次第で全て決まる~ランクは関係ない~

では、高い難易度の大学を目指すことに意味がないのかと言うと、そういうわけでもありません。

高い難易度の大学に「高い志を持った」学生が多いというのは、事実です。

研究で世の中を良くしたい、起業して世の中に貢献したい、そういう思いを抱く人が多い傾向にあると言えます。

ただし、それら行動は必ずしも難易度の高い大学に入らなければできないことではありません。医師免許さえ持っていれば、全国の「有名な」医師のもとで学ぶことも可能ですし、優れた病院で働くことも可能です。

また、努力をすれば自分のやりたいことを形にすることもできますし、独立して自分のやりたいことをすることだってできる。まあ言うなれば、なんだっててきます。高い難易度の大学であれば、周りに影響されてそういった夢を叶えやすいというだけです。

結局は置かれた環境の中でどれだけ自分の自我を保って、努力をし続けられるかということが重要になってきます。

最後に~医学部は「ランキングごとき」で入るか否かを判断するな~

最後に、筆者が本当に言いたいことを書いて終わりにします。

世間では「医学部入学難易度ランキング」や、「医学部序列一覧」等、医学部の世界は全て「マウント取り」で成り立っているかのような誤解を生ませるような記事、雑誌がバカ売れしています。

もちろん、それらランキングを見て自己顕示欲を満たすのも一興ですし、それによって医学部受験への意欲を高めるのもあながち間違ってはいないでしょう。

しかし、本当に考えてほしいのは、「医学部の世界に入って自分が何をしたいのか」ということ。

行く当てのない歪んだ自己顕示欲を満たすためですか?

それとも世間的に体のいい「医者」になりたいからですか?

もしそうであるならば、医学部を目指すのはやめた方がいい。「ランキングの上位」に行くためだけの不毛な戦いはやめた方がいい。

そういった不毛な追い求めの果てに待っているのは、「虚無」の世界です。

正直言いますが、お医者さんの世界は「顕示欲だけで」生き残れるほど甘くはありません。

東大卒だろうが、上位私大卒だろうが、医師としての才能や知力がなければ患者には受け入れてもらえませんし、成功もできません。

実際に筆者も、顕示欲を満たそうとばかりに、「ランキングだけ」で、「勉強ができるというだけ」で、医学部を目指してしまっていた一面があり、今では非常に後悔しています。

大事なのは、医師になって「何をしたいか」です。

そして、医学部自体にランク付けがないと知った今、あなたがやるべきことはたった一つしかないはずです。

そう、自分がどういう生き方をしたいのかと省みること。

お金が欲しい?

では投資をしてはどうですか?プログラマーをしてはどうですか?Youtuberをしてはどうですか?

普通に努力すれば余裕で年収2000万円超えます。

地位と名誉が欲しい?

会社を立ち上げて社長になってはどうですか?選挙で勝って市議会議員や国会議員になってはどうですか?

そっちのほうがよほど手っ取り早いです。

これを読まれているあなたの、医師にこだわるというその選択が、最終的に自分に与えうる影響を考えて、大学も選んでほしいと心から願っています。

このブログでは、医学部受験に関わる記事もアップしています。

メインは、医学部生向けの記事ですので、そちらも医学部生になってから、もしくは想像を膨らませるためにぜひ活用してください。