医学部で兼部して地獄を見た話【ガチでつらかった事3つ】

医学部生活

どうも。

現役医学生のおGちゃんです。

今回は僕の体験として、「医学部で兼部をして地獄を見た話」をしていきます。

この記事の内容

・医学部の部活はマジで大変

・兼部はやめた方がいい理由

・本当につらかった事3つ

経験談ではありますが、部活に入っている多くの医学生に当てはまる話なんじゃないかと思っています。

募る話をまとめてみたので、最後までお読みください。

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医学部の部活は本当に大変

医学部で部活をするのは本当に大変です。

それは以下の理由から。

・勉強が大変

・意外とガチ

・自分の時間が減る

以上の3つ。

勉強が大変

入るまでにも、高校の友達から「医学部大変だよ」と聞いていました。

でも、実際に入ってみると本当に大変。

科目一つ一つの内容が大学受験がかわいく見えるほど重いし、その一つでも落とせば即留年。

恐怖以外の言葉が思いつきません。

そんな大変な勉強を小脇に抱えながら、部活をこなすのがつらいのは想像に難くないでしょう

意外とガチ

医学部には他の学部と違い、「サークル」という概念がありません。部活しかありません。

サークルであれば、どう参加してもいいし、いつ練習に行ってもいいしと結構柔軟でゆるめ。

対して、部活は大抵運動をガチでやるところで、医学部も例に漏れずに部活は運動を「ガチ」でやるところです。

医学部限定の運動大会である「西医大・東医大」そして季節ごとの関西大会・関東大会に向けて、多くの部活が練習を頑張っています。

しかし、ただ運動をしたいがために部活に入った人、人脈作りのため部活に入った人、そういった本来ならガチでやりたくない人まで、「ガチ」の運動に巻き込まれてしまいます

そういう人は、部活に入ってから少し後悔したりしてしまうわけなんですよね。

別に本当にやりたいわけじゃないのに練習が強制だったり、話したくもないOBやOGと話させられたり。ここで部活のことが嫌いになってしまう人も多いでしょう。

自分の時間が減る

先ほども言ったように、医学部の部活は入ると自動的にいろんなイベントに参加させられます。

医学生にとって貴重な春休みや夏休みの時間が、行きたくもない試合で大金を払わされた挙句、糞田舎まで飛ばされたりして削られます。

普段の練習は楽しくとも、よくわからない交流会に駆り出されて、お金も精神も削られてしまうことがしばしば。

もっと〇〇やりたいのになぁ、とかもっとマイペースでいたいのになーという人には苦痛かもしれません。

勉強自体の時間がもっと欲しいのに、部活のせいで削られるという人も少なくないはずです。

兼部はやめた方がいい~経験者が語る~

ここからは、兼部していた僕の経験から、

まじで兼部だけはやめた方がいい

ということを少しお話します。個人の経験ですので温かい目でお読みいただけると嬉しいです。

何も知らなかった新入生のとき

新入生として入った当初は、医学部がどんな場所なのか、どういう雰囲気のところなのかを知りませんでした。なんなら、普通の大学生活を送れると思っていて、文系の学部と同じように週休4日とかもらえると思っていました。

が、入って楽しい新入生歓迎会が終わってつかの間。すぐに医学部の厳しいスケジュールにさらされます。

ほぼすべての授業に出席しなければならないし、その出席もかなり厳しい条件をクリアしなければならない。授業後に小テストがあるものもあり、本当に気が休まりません。

そして、授業ばかりならまだ楽なのかもしれませんが、医学部では必ず鬼のような「実習」という時間が訪れます。

興味がある医学の深い分野ならまだいいのですが、興味もないカエルの筋肉の伸び方とか、免疫の仕組みを詳しく見てみようと、コンピュータ上で訳の分からない計算をさせられたり。

しかもそんな時間が、普段なら授業が終わっている時間を越しても続けられます。ひどいときなんかは夜10時まで大学に残らされて実験をやらされたりしていました。

そしてそういった実習は決まってレポートを書かされますから、そのレポートを書くために家に帰ってからもパソコンに向かう日々。

もうそれだけで大変。これに部活動が加わるわけです。

兼部の影響はだんだん出てくる

僕は医学部入学当初から、先輩に勧誘され運動系の部活を二つ兼部していました。

今となっては、なぜ入ったのかもわからないですが、入学当初に先輩諸氏から『「兼部」しているといいことばっかだよ!!うちの部活は大変じゃないし、兼部してる人はいっぱいいるよ!!』と言われたことも一つの理由だと思います。

幸いにも、入った当初は2部活とも「ガチ」とは遠い部活でしたが、片方の部活がなぜか入学後しばらくたってから「ガチ」になってきてしまいます。

そうなると本当に大変で、自分の勉強どころではなくなってきます。

そもそも、その両部とも「週二回の練習」を標榜していました。

そしてその両部を兼部していたらどうなるか。そうです。週に4回もの練習が入ることになります。

医学部での勉強は何度も言うように大変ですから、週2回ならまだしも週4回の練習は本当に自分の時間を削られます。

入りたて最初のころは「こんなの楽勝やろ」と思っていました。が、勉強も大変になり、部活も大変になり、何かと忙しくなってくると次第に後悔し始めます。

部活には勉強の気分転換のために入ったのにもかかわらず、気分転換どころではなく、むしろもうずっと「部活・部活」みたいな感じで、勉強の文字がそのころは頭の中に浮かんできませんでした。

もう、授業中も実習中も頭のどこかに部活の意識が刷り込まれています。

「ああ、あれもやらなきゃこれもやらなきゃ、勉強もやらなきゃだしどうしよう!!!」

転機は初めての合宿

僕にとって、大きな転機となったのは片方の部活の夏の合宿。

確かしまなみ海道に行って身体を鍛えましょうという合宿でした。

その合宿が僕にはきつかった。身体的に、精神的にというよりむしろ金銭的に。

一回のその合宿は新幹線を使ってその合宿先まで行くのですが、その旅費が最低7万円でした。

「7万円」ですよ!?たったの二泊三日の部活の練習の為だけに「7万円」!!

参考までに、医学生が1か月頑張ってバイトを入れたとしても稼げて6万円です。

僕はその時親の仕送りだけで生きていたのですが、その仕送りの月額をはるか超える値段です。

この時僕は悟りました。「あ、部活無理だな」と。

合宿そのものはめちゃくちゃ楽しかったです。身体的にも鍛えられて本当に良かったと思います。

が、やはりお金がつらい。

そして、僕は兼部をしていたので、そういったお金が他の人の2倍かかります。

一人暮らしの僕には「無理」そのものでした。だって一か月の生活費がたかだか二日三日の合宿の為だけに消えるんです。その痛みは計り知れません。しかも兼部しているおかげで、その金額の2倍が季節ごとに毎年あるわけですから、年で7×4の28万円消えるわけです。

それは僕にとって耐えられることではありませんでした。その28万円があればもっとほかのことに投資できるかもしれませんよね?

旅行だって飛行機代含めも二泊三日で高くて4万円以下に抑えられます。しかも行きたいときに行けますし、行きたい人と行けます。

行く必要もない合宿にそのお金を払うぐらいなら別のことに使った方が絶対いい。そう判断したわけです。

最終的には両方やめた

最終的には、2年生の夏までに両方の部活を辞めました。

具体的にどんな風に辞めたのかはこちらの記事を参考にしてください。

兼部は本当につらかったですし、二年間の中で最終的には多くの貴重な時間を失ったと感じています。

もちろん、得られることも多かったです。僕が今こうして好きなことをやって生きているのもその時間があるからなんですが、それでも投資した時間に対するリターンが少ないなと思ってしまいました。

兼部は本当に辞めた方がいい

長くなってしまいましたが、結局言いたかったことは

兼部はやめよう

ということですね。

あなたの医学部生活をより実りあるものにするためにも、兼部をすることはやめた方が賢明でしょう。

兼部して本当につらかった事

さて、ここまで経験話でちょっと退屈だったかもしれませんが、結局僕の中で、兼部の何が一番つらかったのかをお伝えしようと思います。

そのつらかった事が以下の3つのポイントです。

・時間

・精神

・お金

以上三つについて実際の事例に結び付けて解説します。

時間

僕はあまり勉強が得意な方ではなく、特に大量の事項を暗記するということにおいては、人よりもあまり優れていない方だと思います。

大量の事項の暗記が必須な医学部において、僕はそれでは不利になると思ったので、できるだけ多くの時間を勉強に割こうとしたのですが、部活が物理的に時間を奪っていくため、

勉強時間減少 → 成績下がる → 部活嫌になる → 勉強時間減少…

のループに陥ってしまっていました。

今思うと、やはりたくさんの時間を取られる部活に、2個も所属していたことがその災難を引き起こした原因だと断言できます

自分の時間を確保したい、自分一人だけでやりたいことが何かある、夢があるという方には、部活の兼部はおすすめしません。

精神

結論から言うと、兼部すると精神を蝕まれます。

かつての僕
かつての僕

ああ、今日も明日も部活か…。水曜日は休みだけど、また木金と部活があるよ…。

ほんと嫌になっちゃうなぁ…。

こんなことを授業中に考えてしまうほど、部活のことしか考えられないようになっていました。

これはもしかすると1つだけの部活に所属していたならばまた話は違ってきていたでしょうが、僕の場合は後先を考えずに「まあ、あとでやめられるしいいかな」と、うっかり兼部をしてしまったからこそ、このような状態に陥ってしまったのだと言えます。

精神を蝕まれると、勉強にももちろん影響が出ますし、人間関係にも影響が出てきます。例えば部活の同輩を嫌になったりだとか、先輩とごたごたしたりだとか、あまり経験したくないことが起きてしまうこともあります。

兼部をすると精神を病んで、僕のようになる可能性が高いため、やはり兼部は避けるのがベストでしょう。

お金

上二つ、つまり「時間」と「精神」は百歩譲って受け入れられたとしましょう。

でも、僕はこの「お金」だけは到底受け入れられませんでした。

経験談のところでもお話ししましたが、医学部の部活は一年で合宿やイベントなど多くのお金を使う機会が発生します。

しかも上下関係が厳しければ上級生が下級生に奢らなければいけないという事態が発生します。

これらを概算してみると、一つの部活に所属していると、一年間で消費する金額は

約45万円~100万円

ぐらいになります。

内訳としては、合宿遠征費用が年間で30万円前後、部費やコンパ費用が年間10万円前後、そしてその他諸経費で5万円前後。

しかもこれは年間の合宿が2回の場合で計算していますから、万が一年に4回あれば合宿費用だけで軽く年50万は行くと思います。

さらに、上記の金額に、サッカー部であればユニフォーム代、ボール代などの必要費用が。飲み会などの個人的な親睦会に参加すれば+で年10万円は変わってきます。

こう考えると、使う部活では年間100万円ほどの消費になるでしょう。

コレ、結構痛いんですよ。一般学部の4年間で、幹部代を2年生が担う場合、この金額は二年間しか掛かりませんからまだいいんですが、医学部は6年間。慣習的には4年生までは現役で部員として参加しなければなりませんから、上記金額が4年間かかってきます。

となると、1個の部活に所属しているだけで4年間でなんと最低でも180万円。最高で400万円近い金額がかかってきます。

お気づきの方いるかもしれません。国公立医学部の6年間の学費が380万円前後ですから、部活に入るとその金額を何と追加で、しかももっと短期で消費してしまう可能性があるということなんですね。

私立医学部であっても、一年間分ぐらいの学費にはなるでしょうから、相当な金額になることが伺えます。

で、僕はこのような部活に悲しいことに2つ入っていましたから、部活の為だけに年間で100万弱も掛けていたというお話になります。

それだけの金額があったら、僕なら短期でアメリカ語学留学とか、日本一周旅行をした方が有益だと思ってしまいます。

医学部の部活って、本気でやったところでプロになれるわけではないですし、何ならずっと慣れ合っているばかりだと個人的には思うので、生産性のかけらもありません。

『部活に生産性もクソもあるか!!将来への我慢の練習なんだ!!』と怒鳴られそうですが、同じお金で豊富な経験を買うのか、無意味な時間を買うのか、その二択ならどちらを選ぶの?という話です。

大学生にもなったら自分のためのお金の使い方、考えたいですよね。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は僕の個人的な経験談を主軸において記事を作ってみたので、かなり偏見や批判が見受けられると思います。

が、それだけ僕にとって医学部の部活は影響力のあるものだった、という裏返しとも言えましょう。

この記事読んでやっぱり医学部の部活やめたい、距離置きたいと思った方、部活以外で運動したい、交流したいと思った方は、以下の記事も参考にしてみてください。